インディアン ジュエリー 意味から選ぶお守りアイテム

インディアンジュエリーは、単なる装飾品ではなく、ネイティブアメリカンの文化や精神性が込められた特別な存在です。

この記事では、その歴史、モチーフに込められた想い、使われる天然石のパワー、そしてお守りとしての役割まで幅広く解説していきます。

シンボルの意味やターコイズなどの石のスピリチュアルな効果を知ることで、自分に合ったジュエリーの選び方も見えてくるはずです。

おしゃれに取り入れながら、意味ある一点を見つけたい方にぴったりのガイドです。

インディアンジュエリーの意味と歴史

• インディアンジュエリーの部族ごとの特徴
• 年代と発展
• インディアンシンボルの意味と込められた想い
• 石の意味
• 効果とお守りの力

インディアンジュエリーの部族ごとの特徴

部族名	主な技法	特徴	代表的な作品
ナバホ族	スタンプワーク	力強く大胆なデザイン、ターコイズを多用	バングル、スクワッシュネックレス
ホピ族	オーバーレイ	2枚の銀板を重ねた立体的な模様	シルバーオンリーのジュエリー
ズニ族	インレイ	カラフルで幾何学的な模様	石をはめ込んだリング、ペンダント
サントドミンゴ族	ビーズワーク	シルバーを使わない独自の技法	ヒシビーズのネックレス

インディアンジュエリーは、制作する部族によって大きく特徴が異なります。代表的な4つの部族は、それぞれ独自の技法とデザインを持っているのです。

最も古くからジュエリー制作を行っているナバホ族は、力強く大胆なデザインが特徴的です。

スタンプワークと呼ばれる技法で銀に模様を刻み、ターコイズを多用した温かみのある作品を生み出します。

一方、ホピ族はオーバーレイ技法を得意とし、2枚の銀板を重ねて立体的な模様を表現することで知られています。

ズニ族は繊細なインレイ技法の名手であり、ターコイズやサンゴ、シェルなどを細かくカットしてシルバーの土台に埋め込みます。この技法により、カラフルで幾何学的な美しい模様を創り出すのです。

サントドミンゴ族はシルバーをほとんど使わず、天然石や貝殻から作った「ヒシ」と呼ばれるビーズを紐に通したネックレスが有名です。

これらの部族は、それぞれ異なる地域に住み、独自の文化と精神的背景を持っています。

そのため、同じインディアンジュエリーでも部族によって全く違った表情を見せるのです。

年代と発展

インディアンジュエリーの歴史は、中世の大航海時代まで遡ることができます。

現在のような銀細工の技術が確立されたのは、1850年頃のことでした。

当時、ナバホ族のアツィディ・サニがメキシコ人の銀細工師ファンアネアから技術を学んだことが、インディアンジュエリーの起源とされています。

その後、アメリカ軍との戦いに敗れたナバホ族は強制収容所に送られましたが、この過酷な状況下で余った材料や銀硬貨を使ってリングやブレスレットを制作するようになったのです。

1870年から1890年頃にかけて、現代のインディアンジュエリーの原形が完成しました。

この時期には、西洋人やメキシコ人との交流を通じて銀細工の技術がさらに発達していきます。1880年代にはターコイズが、1900年頃にはコーラルもジュエリー作りに取り入れられ、より色鮮やかなアクセサリーへと変化していきました。

20世紀に入ると、アーティスト名を刻む「ホールマーク」が一般的になり、個々の作家の個性が重要視されるようになります。

現在では世界中にファンを持つジュエリーとして発展を続けているのです。

インディアンシンボルの意味と込められた想い

カテゴリ	シンボル	主な意味
自然現象	サンバースト	豊かさ・希望・幸福・平和
自然現象	ウォーターランニング	人生のサイクル・再生
自然現象	サンダークラウド	パワー・スピード・恵みの雨
自然現象	スワティカ	幸運・4つのL
動物	イーグル	神の使い・リーダーシップ・名声
動物	ベア	パワー・癒し・知識・健康
動物	バタフライ	美しさ・幸運・変化・喜び
動物	ウルフ	家族・忠誠心・教育
動物	バッファロー	平和・感謝・魔除け・強さ・勇気
動物	タートル	長寿・健康・水の守り神
動物	ハミングバード	幸運・親愛・信頼
動物	ヘビ	再生・変身・進化・忍耐力
動物	トカゲ	知性・地上の守り神
動物	ホース	旅・強さ・自由
動物	ウォーターバード	導き・希望
精霊・神話	フェザー	歓迎・友情・平和・功績
精霊・神話	アローヘッド	守り・平和・友情
精霊・神話	サンダーバード	幸福・恵みの雨
精霊・神話	ナジャ	護符・豊穣・新しい始まり

インディアンジュエリーに刻まれるシンボルは、ネイティブアメリカンの世界観と深い精神性を表現しています。これらのモチーフには、自然への畏敬の念と生きるための知恵が込められているのです。

自然現象をモチーフにしたシンボル

サンバースト（太陽の光） 太陽を表すサンバーストは、放射状に伸びる線が特徴的です。

豊かさ、希望、幸福、平和を象徴し、家族に幸運と繁栄をもたらすと信じられてきました。

生命の源である太陽は、ネイティブアメリカンにとって最も神聖な存在の一つです。

ウォーターランニング（水の流れ） 水の流れを表現したモチーフで、人生のサイクルや再生を意味します。

古い遺跡にも描かれている重要なシンボルで、雨乞いの儀式や豊穣を願う祈りの際に用いられました。

サンダークラウド（雷雲） 雷をモチーフにしたサンダークラウドは、恵みの雨をもたらすほか、パワーとスピードの象徴という意味も含まれています。

自然の力強さを表現する重要なモチーフです。

スワティカ 太陽を模したモチーフで、ナバホ族にとっては幸運のシンボルです。

「ラブ」「ライフ」「ラック」「ライト」の4つのLを合わせたものと考えられています。

動物をモチーフにしたシンボル

イーグル（鷲） 神の使いとして崇められ、物事を俯瞰し冷静な判断を下す力を持つとされています。名声やリーダーシップの象徴で、人々の願いを神に届ける使者としての役割を担っています。

ベア（熊） パワーと癒しの象徴で、知識や健康の意味も持ちます。癒しのオーラを放つ「メディスンマン」とも呼ばれ、病気や災いから身を守るお守りとして熊の爪を身に着ける習慣がありました。

バタフライ（蝶） 美しさや幸運を表し、幼虫から蛹、そして蝶へと変化する様子から、変化や喜び、生命力やエネルギーの象徴とされています。

精神的な成長や変化を表現する重要なモチーフです。

ウルフ（狼） 家族、忠誠心、観察、教育の意味を持ち、その賢さから「部族を教え導くもの」とまでされる重要なシンボルです。群れで行動する狼の特性から、チームワークや絆を表現します。

バッファロー 平和、感謝、魔除け、強さ、勇気といった意味を持つとされています。多くの部族で霊的なパワーを持つ動物として神聖視され、豊かさと忍耐力の代名詞とされています。

タートル（亀） 水の守り神であり、長寿と健康の象徴です。ズニ族の間では「死に対抗する力を持つ」として、カメのお守りを薬袋に着ける風習がありました。

ハミングバード（ハチドリ） 幸運を呼ぶハチドリを表し、「親愛」「信頼」のモチーフとしてよく使われています。「光の世界への導き手」や「メディスンマンと共に浄化をする鳥」とも言い伝えられています。

ヘビ 脱皮を繰り返すことから再生・変身・進化の象徴といわれています。また大地を這って進むことから、忍耐力・努力の象徴とも考えられています。

トカゲ 知性の象徴であり、地上のすべてを知り尽くす動物とされ、地上の守り神として言い伝えられてきました。小さな体でも生き抜く知恵を持つ存在として敬われています。

ホース（馬） 旅・地上での強さ・そして自由の象徴とされています。ネイティブアメリカンの歴史において、馬は生活に欠かせない重要なパートナーでした。

ウォーターバード（水鳥） カモなどの水鳥を指し、水鳥を追うことで水源にたどり着けることから、行くべきところを指し示してくれると考えられています。導きと希望のシンボルです。

精霊・神話をモチーフにしたシンボル

フェザー（羽） 歓迎と友情、平和を表しており、戦いの功績の象徴でもありました。

多く持つことが名誉とされ、特に鷲の羽根は偉大な力を持つと考えられていました。

アローヘッド（矢じり） 「守り」という意味があります。ブロークンアロー（折れた矢）は「平和」を、クロスアロー（交差した矢）は友情を示すモチーフとなります。

サンダーバード（雷鳥） 雷を呼ぶとされる伝説の鳥で、雷と共にもたらされる恵みの雨のイメージから、ネイティブアメリカンの間では「幸福をもたらす鳥」として言い伝えられています。

ナジャ 子宮や三日月をかたどったモチーフといわれています。ネイティブアメリカンの正装にも取り入れられ、「護符」の役割を持つとされています。

これらのシンボルは単なる装飾ではなく、持つ人の人生を導く大切なメッセージなのです。そ

れぞれが持つ深い意味を理解することで、インディアンジュエリーはより特別な存在となり、日々の生活に精神的な支えをもたらしてくれるでしょう。

石の意味

石の種類	色彩	象徴する意味	効果・力
ターコイズ	青・緑	水・空・神聖	邪気払い・幸運・平和・癒し
コーラル	赤・ピンク	生命力・情熱	魔除け・健康・長寿
シェル	白・クリーム	海の恵み	豊穣・繁栄
オニキス	黒	保護・守護	悪霊払い・身を守る
ジェット	黒	守護・浄化	負のエネルギー除去

インディアンジュエリーに使われる天然石には、それぞれ深い意味が込められています。

最も代表的なターコイズは、ネイティブアメリカンにとって神聖な石とされてきました。

ターコイズは「神の石」として崇められ、水や空を象徴する存在です。

狩りの成功を願う儀式や雨乞いの儀式でも必ず用いられ、邪気から身を守り幸運を呼ぶ力があると信じられています。この美しいブルーの石は、持つ人に平和と癒しをもたらすとされているのです。

コーラル（珊瑚）は生命力と情熱を表し、魔除けの効果があるとされています。

赤い色が血液を連想させることから、健康と長寿の象徴でもあります。一方、シェル（貝殻）は海の恵みを表し、豊穣と繁栄を意味する石として大切にされてきました。

オニキスやジェットなどの黒い石は、悪霊を払い身を守る力があると考えられています。

これらの石は、見た目の美しさだけでなく、スピリチュアルな意味を持つ重要な要素なのです。

古くから、ネイティブアメリカンは自然界のすべてに魂が宿ると信じており、石もまた神聖な力を持つ存在として敬われてきました。

効果とお守りの力

インディアンジュエリーは、単なるアクセサリーを超えた精神的な意味を持つお守りとして機能します。

ネイティブアメリカンにとって、ジュエリーは自然の力を身近に感じ、日常生活に取り入れるための重要なツールでした。

愛好家の間では、自身の願いや想いにぴったりのモチーフが刻印されたジュエリーを選び、お守り代わりに身に着ける習慣があります

例えば、新しいスタートを切りたい人はバタフライのモチーフを、リーダーシップを発揮したい人はイーグルのモチーフを選ぶといった具合です。

ターコイズが持つ癒しの力は、現代でも多くの人に信じられています。このブルーの石は心を落ち着かせ、ネガティブなエネルギーから身を守る効果があるとされているのです。

また、熊の爪をモチーフにしたベアクロウは、古くから病気や災いのお守りとして重宝されてきました。

ただし、これらの効果は科学的に証明されたものではありません。むしろ、ジュエリーに込められた意味を理解し、自分自身の心に響くものを選ぶことが大切です。

信じる心と愛着を持って身に着けることで、精神的な支えとなる特別な存在になるでしょう。

インディアンジュエリーの意味を理解して選ぶ

• インディアンジュエリーブランドの選び方
• 偽物の見分け方
• 本物のインディアンジュエリーの価値
• インディアンジュエリーをおしゃれに身に着ける

インディアンジュエリーブランドの選び方

インディアンジュエリーを購入する際は、信頼できるブランドや専門店を選ぶことが重要です。

適切な選択をすることで、本物の価値と美しさを手に入れることができます。

まず注目すべきは、ブランドの歴史と実績です。日本では、1972年に設立されたgoro’s（ゴローズ）が第一人者として知られており、ネイティブアメリカンから直接技術を学んだ高橋吾郎氏の作品は絶大な人気を誇ります。

また、東京・上野に本店を構えるpowwow（パウワウ）は、インディアンジュエリー専門店として厳選された商品を取り扱っています。

ブランド選びでは、作家との関係性も重要な要素です。STUDIO T&Y（スタジオ T&Y）のように、曲線的で柔らかいデザインを手掛けるブランドは女性にも人気があります。

一方、WINGLOCK（ウィングロック）やARIZONA FREEDOM（アリゾナフリーダム）は、本場アメリカで習得した技術を活かした本格的なデザインが魅力です。

購入前には、そのブランドがどのような作家と提携しているか、素材や製法についてどの程度説明できるかを確認しましょう。

真摯にインディアンジュエリーと向き合っているブランドであれば、作品の背景や意味についても詳しく教えてくれるはずです。

偽物の見分け方

チェックポイント	本物の特徴	偽物の特徴
ホールマーク	作家名＋Sterling刻印あり	刻印なし、または不正確
素材（地金）	シルバー925以上	ニッケル、銀メッキ
素材（石）	天然石、自然な模様	プラスチック、人工的
製法	ハンドメイド、個体差あり	ワックスキャスト、均一
価格	適正価格	異常に安い、または高い
販売元	専門店、信頼できる業者	出所不明

本物のインディアンジュエリーと偽物を見分けるには、いくつかの重要なポイントがあります。正しい知識を身に着けることで、価値のある本物を手に入れることができるでしょう。

最も確実な判別方法は、「ホールマーク」の確認です。

現代のインディアンジュエリーには、製作者が刻む名前の刻印と「Sterling」という銀純度を表す刻印があります。この2つのマークが揃っていれば、基本的に本物と判断できます。

ただし、1900年代初頭以前のヴィンテージものは刻印がない場合もあるため、専門家の鑑定が必要です。

素材面では、シルバー925以上の地金が使われているか確認しましょう。

偽物の多くはニッケルや銀メッキを使用しており、時間が経つと変色や剥がれが生じます。また、石についてもプラスチック製の偽ターコイズが使われている場合があります。

本物のターコイズは天然の模様があり、触れると冷たく感じられるのが特徴です。

製法についても注意が必要です。大量生産のワックスキャスト製法で作られたものは、手作りの温かみに欠けます。

本物は一つ一つハンドメイドで制作されているため、微細な違いや個性があるものです。

本物のインディアンジュエリーの価値

本物のインディアンジュエリーの価値は、単なる装飾品としての美しさを超えた多面的な要素によって決まります。その価値を理解することで、長く愛用できる特別な一品を選ぶことができるでしょう。

価格を左右する主要な要素として、まず素材があります。シルバー925、14金、18金、プラチナといった地金の種類と使用量によって基本価格が決まります。

さらに、ターコイズの品質も重要で、ナチュラル（天然）、スタビライズ（樹脂強化）、プラスチックの順で価値が下がっていくのです。

作家の知名度と技術力も価値に大きく影響します。

すでに亡くなっている有名作家の作品は希少価値が高く、新進気鋭の作家でも独自の技法を持つ場合は高く評価されます。また、制作年代や歴史的背景、生産量の少なさも価値を高める要因です。

本物のインディアンジュエリーは、世代を超えて受け継がれる価値があります。

適切にメンテナンスされた作品は、時間が経つほど独特の風合いを増し、所有者との絆を深めていくのです。単なる流行のアクセサリーとは異なり、10年、20年と愛用できる一生ものの価値を持っています。

インディアンジュエリーをおしゃれに身に着ける

インディアンジュエリーは、その独特な存在感を活かしたコーディネートが魅力的です。適切な合わせ方を知ることで、日常のファッションに自然に取り入れることができます。

最も基本的なスタイルは、シンプルなシャツとデニムのカジュアルな装いです。

インディアンジュエリーの個性的なデザインを際立たせるため、服装はできるだけシンプルにまとめるのがポイントです。

白いTシャツやシンプルなカットソーに、お気に入りのバングルやネックレスを合わせるだけで、こなれ感のあるスタイルが完成します。

重ね着けも人気のスタイリング方法です。

細めのバングルを複数重ねたり、長さの異なるネックレスを組み合わせたりすることで、より豊かな表情を演出できます。ただし、やりすぎると煩雑な印象になるため、全体のバランスを見ながら調整することが大切です。

フォーマルなシーンでも、選び方次第でエレガントに取り入れることができます。シ

ンプルなデザインのリングやピアスなら、ビジネスカジュアルにも馴染みます

。ナバホ族の洗練されたデザインは、特にきれいめコーデとの相性が良好です。

インディアン ジュエリーの意味を理解するための総まとめ

• インディアンジュエリーはネイティブアメリカンの精神性と文化を表現する伝統工芸
• 部族ごとに異なる技法とデザインが存在し、独自の個性を持つ
• ナバホ族はスタンプワークとターコイズを使った重厚な作風が特徴
• ホピ族はオーバーレイ技法による立体的な銀細工を得意とする
• ズニ族は色彩豊かなインレイ技法で幾何学模様を生み出す
• サントドミンゴ族は天然素材のビーズを使った首飾りが有名
• ジュエリーに刻まれたシンボルは自然や動物への敬意を表している
• シンボルには太陽・水・雷など自然現象の意味が込められている
• 動物のモチーフはそれぞれに精神的な意味や役割がある
• 使用される天然石には癒しや魔除けなどの象徴的意味がある
• ターコイズは特に神聖視され、保護と平和をもたらすとされる
• 本物のジュエリーはホールマークや素材、製法で見分けることができる
• 信頼できるブランドや作家の選定が本物の購入に直結する
• ジュエリーはお守りとして持つ人の願いや想いを託す存在となる
• シンプルな装いに合わせることで日常に自然に取り入れられる